ファイナルレポート

 

人工価値:次段階の経済的・心理的エンパワーメント

 

2021年2月17日

 

Brandon Ogbolu

beo2106@protonmail.com

artificialvalue.org

 

簡単に言えば

 

資本主義社会における不平等の拡大により、社会から取り残されたグループは新たな価値創造のモデルを追求するようになった。こうしたモデルの成立は、社会全体が新しい経済システムに移行しつつあることを示唆している。WRLDVW市場を通して見られるように、人工価値(artificial value)は、価値に対する人間の感覚を高める効果的でほぼ自由なメカニズムだ。既存の諸組織やブランドは、経済パラダイムの変化を先取りして人工的価値を活用することで、人々に力を与えていくことが望まれる。

 

概要

 

ここで説明する「人工価値」というコンセプトは、私が人類の次の段階の経済的および心理的エンパワーメントを示すと信じているものです。人工価値とは、特定の基準が満たされた場合に自動的に増加するデジタル資産の価値表現です。2020年に45,000人を超えるユーザーに人工価値を提供したマーケット、WRLDVWを運営したことから、私は人工価値が人間の価値あるものに対する認識を包括的に変える強力な効果があることを理解するようになりました。WRLDVWに人工価値を導入した後、ユーザーエンゲージメントはすべての媒体で4,225%増加という驚異的な伸びを示しました。私が得た根本的な知見は、人間は、自らの利益を非常に強く意識し、取りつかれている生き物で、それは利益が現実のものでも人工のものでも(そして人工のものだと分かっていても)変わりはない、ということです。私はこれを、利益心理の法則と呼んでいます。2020年12月、WRLDVWは資金を調達できなかったため、閉鎖されることとなりました。しかし考えてみれば、WRLDVWはそもそも長期継続する企業になるよう意図されたものではなかったのです。むしろ、WRLDVWは世界全体を評価するための診断ツール(炭鉱のカナリア)でした。何十億もの人々が価値を生み出すような資産を得られていない状況の中、価値創造の新しいモデルが求められるようになるのは必然です。たとえそれらのモデルが経済的論理からすればどれほど風変わりに見えようとも。そして臨界点に達すれば、そうした新しいモデルは正当な価値創造エンジンとして具体化されてくるのです。インターネットのユーザー人口が増加するにつれ、この傾向は必然的に速度を上げ、まったく新しい価値創造モデルをより頻繁に生み出していくことになります。このことは、暗号通貨の開発と成功、および最近のGameStopやAMC(「ミーム株」)などの不調な米国企業の株の予期しない急騰にも、すでに表れています。私は、暗号通貨やミーム株の発達、そしてWRLDVW内の人工価値への受容は、資本主義の(企業が価値創造の唯一の源であり、企業または株式の可視的な動きが投資を決定させる)枠内に収まらない、新しい価値創造モデルを具現していると考えます。このような動きは、社会全体が新しい経済システムに移行しつつあることを示唆しています。この変化に対応するため、既存の組織やブランドは、人工価値の市場を自らの顧客の基盤に取り入れ、顧客に将来に向けた経済的・心理的エンパワーメントの機会を提供する必要があります。顧客が、相手との取引ごとに、人工価値を生み出すデジタル資産を受け取れるようにしていくべきなのです。デジタル資産はそれ自体では実質的な価値を欠いていたとしても、人工価値が継続的に上昇すれば、その資産を価値あるものとして認識するように人間の脳は変化していくのです。同じ市場内の顧客が、資産を互いに取引できるようにすることはもちろんです。エンパワーメントツールとしての人工価値は、無視することのできないものになりました。人工価値は、人間が現実世界の限界を超えていくのをコンピューターにより支援するという、人工知能と同じテクノロジーによるエンパワーメントの特徴を持つものなのです。 私は、この人工価値モデルに関するコンサルティング業務も行っています(beo2106@protonmail.com)。

 

結論

 

WRLDVWは、価値の本質を理解するための社会的実験として考案された。当初興味のあった疑問には次のようなものがあった:価値とは何か?価値はどのように生み出されるのか?価値は時間とともにどのように変化するのか?価値はどのように分配されるのか?誰もが価値を獲得できるのだろうか?これらの疑問に答えるため、既存の経済学、製品開発、マーケティング、またはユーザー体験の枠組みにとらわれない、新しい種類のプラットフォームを追求した。開発には例えば以下のような戦略を用いた:

 

  • これまでどこにも存在しなかったものを提供すること(人工価値を生み出す、名前と場所の形をとったデジタル資産)。

  • 5ドルから10,000,000ドルの価格をテストすること。

  • WRLDVWが世界中でどのような反響を得たかを評価するため、多くの国に多様な言語で広告を打つこと。

  • 資産の民主的な所有を確保するため、広く国際社会に焦点を当てること(1地域でのみ展開するのではなく)。

  • 21万個を超えるデジタル資産を無料で配布すること。

 

マーケティング戦略の一環として、時には人目を引く手法も用いた。動画による広告は、典型的なスタートアップ企業のマーケティング資料ではなく、映画の予告編に似せて作成した。広告に綴りや文法的な誤りが出てしまうこともあった。そして、最初のWRLDVWイテレーションのソースコードの発表に至った。プラットフォームを終了した時には、すべての購入者に払い戻しを行った。これらの業務のほとんどは、スタートアップ企業に教えようとする人はほとんど存在もしないものだった。しかし、当初の疑問への答えを得るには、慣習から逸脱した大胆な行動を取らなければならなかった。WRLDVWのアプローチが示すように、現実に起きているこちに対処するには、大胆さが必要なのだ。 

 

ありがとうございました。

[2021年2月21日更新]

  • 経済システムバイアス:経済システム(奴隷制度、封建制度、資本主義など)が利益をもたらす際に、そういった経済システムの終焉に気付くことができないこと。

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